2020年3月2日

携わった構造物は地図に掲載されます
全員一丸でやり遂げた達成感は半端じゃない

株式会社 林土木 (富山市)
土木部 工事主任 石原 卓さん

Q1.いまどんな仕事をしていますか。

常願寺川沿いにある立山砂防工事専用軌道(立山砂防トロッコ)の軌道移設工事に現場監督として携わっています。現在、軌道が走っている場所は落石の可能性が高いため、安全な場所に移設するという工事です。
施工延長は150mほどで、設計図書をもとに現地調査を行い、発注者と打合せしながら工事を進めています。私の主な仕事は、工程管理、作業員や職人さんへの指示、安全衛生管理などです。作業員や職人さんへ指示をするときには、作業をしやすいように設計図書からCAD(コンピュータによる設計支援ソフトウェア)を使って、それぞれの作業内容や寸法などを記載した施工図を作製したりもします。

Q2.建設業の仕事に就こうと思ったきっかけは。また、それはいつ頃ですか。

小さい頃からものづくりが好きで、ガンダムなどのプラモデルを作って遊んでいました。高校では電気を専攻していましたが、大学は金沢工業大学の土木系学科に進みました。それが土木との出会いです。卒論は橋脚などの構造物の力学に関する内容でした。
卒業後は富山にUターンし、今の会社へ入社しました。90年ほどの歴史があることと、富山だけでなく県外でも工事をしているところに魅かれました。2008年4月に入社したので、今年で12年目になります。

Q3.建設業への入職の不安はありましたか。また、実際に働いてみてどう思いましたか。

大学時代から「現場監督」という言葉は聞いていましたが、具体的に何をするのかさっぱり分かっていませんでしたね。就職後に先輩や上司から丁寧に指導してもらい、一緒に作業している職人さんたちとも話しをすることで、仕事を覚えました。職人さんたちは個性的な方が多いのですが、素直に質問すれば親切に教えてくれますし、イメージしていたよりもアットホームな業界なのかなと思いました。

Q4.建設業で働く魅力はどんなところですか。

携わった構造物が地図に掲載されたり、地域の方々の生活基盤になったりすることです。そんな魅力を感じて建設業に入職しました。今もその思いは変わっていません。
現在、現場にはICTなどの新しい技術がどんどん導入され、日々技術が進化していることを実感しています。たとえば、ドローンのほかにも、バックホーなどの重機にマシンガイダンス・マシンコントロールなどを用いて施工する技術があります。道路を作るときに設計データを重機に入力することでデータ通り施工できるようになります。

Q5.今まで建設業の仕事に携わってきて、一番のやりがいとは何ですか。

今までいろんな現場に立ち会ってきました。自然が相手で、作業環境や作り上げる構造物も異なるので、毎回同じ仕事ということはありません。そんな中で日々考え、工夫しながら仕事をしています。苦労することもありますが、同僚や職人さんたち全員が一丸となって工事を行うので、完成した時は大きな達成感があります。

Q6.建設業は3Kというイメージがありますが、どう思いますか。

大きな重機のそばや高所での作業など、危険が伴うこともありますが、それぞれの現場で改善や解決のための工夫をしています。職人さんが作業する前に危険箇所がないか確認し、改善策や対応策を取ること、明確な作業手順・方法などをしっかり立てて実行すれば安全に作業を進めることができます。そういったことに気を付けて仕事をしています。

Q7.休日はどのように過ごされていますか。

1歳の息子を連れて自宅近くの公園で遊んだり、近県の観光地へ行ったりしています。先月は、のとじま水族館に行ってきました。
また、同級生と軟式野球チームを作って朝間野球のシーズン中は週1回集まって練習しています。ポジションはショートです。

Q8.今までで一番印象に残っている仕事は何ですか。

これまで、現場ごとにやりがいを感じてきましたし、年齢や経験を重ねていくうちに仕事の幅も増えるのでなかなか選びにくいですが、今の現場でしょうか。立山カルデラの崩壊地と下流域を結ぶ軌道整備の重要な仕事で、やりがいを感じています。
他には、5年前に現場代理人として初めて臨んだカルデラ内の仕事も記憶に残っています。崩落斜面を鋼のネットで覆い、植物を根付かせて緑化することで土砂の崩壊を抑える山腹工を実施しました。この仕事を通して、砂防工事の役割と重要性を実感したことを覚えています。水谷にある宿舎で寝泊まりし、週に1回平野に下りるという生活サイクルだったので、余計に印象が深いのかもしれません。

Q9.将来の目標は何ですか。

分からないことや不安なことがあると、上司によく相談します。いつも的確な指示で、私が思いつかないようなアイデアを毎回出してくれます。幅広い知識や経験を持っているからできることではないでしょうか。私も早くそんな風になりたいと思っています。今の現場でも後輩と一緒に仕事をしていますが、後輩を育成していくのも私の仕事です。私が上司から仕事を教えてもらったように、後輩にも教えていきたいですね。

Q10.建設業を志す人へのアドバイス、メッセージを。

入社してすぐの頃は分からないことが多く、上司や先輩に付いていくのが精いっぱいだと思いますが、成長しようという気持ちで一生懸命仕事に取り組んでほしいですね。周囲の人と積極的にコミュニケーションを取り、分からないことがあった時は素直に聞くのが一番です。たくさんの人が集まって、1つの構造物を作るわけですから、人との繋がりや信頼関係が特に大切です。

現場の1日の流れ
8:00~8:10 朝礼・ラジオ体操、作業前打合せ、K・Y運動
8:10~8:20 各持場点検
8:20~12:00 作業指示・監督、施工管理、安全巡視
12:00~13:00 昼休み
13:00~13:15 各工種職長業務打合せ、午後作業開始
15:00~15:15 午後休憩
16:50~17:00 作業完了、後片付け
17:00〜19:00 翌日準備、書類作成、帰宅

※統括安全衛生責任者は1日1回(基本15:00~) 現場巡視

ページトップ ▲