2020年9月25日

若い人達の知恵や工夫と熟練した技術が交わり
進歩していく業界

酒井建設 株式会社 (上市町)
 土木課長 山口 哲央さん
 技術員  富樫 慶郁さん

Q1.現在、どんな仕事をしていますか。

山口さん 北陸地方整備局の立山砂防事務所が発注した「中小屋砂防堰堤その他工事」で技術者を務めています。常願寺川上流域の土砂流出を抑制して下流の災害を軽減するための工事で、中小屋砂防堰堤の全体計画は堤長226.45m堤高14.5mの本堰堤を主に、副堰堤工、側壁工、下流護岸工、側壁工、水叩工、護床工で構成されています。このうち私が現在担当している工事は右岸側の副堰堤工と水叩工が主で、令和2年11月末までに完了する予定です。
富樫さん 僕はまだ入社2年目で、山口課長から施工管理のことを色々教えてもらいながら、技術や知識を身につけているところです。

山口さん 後輩を育てるのも、大切な仕事です(笑)。この現場は大半がコンクリート構造物なので打設時の施工状況や品質の管理が主となります。降雪の多い地域で施工期間も限られるため、最善の人員配置や機械の手配、施工順序となるよう考慮しています。河川内での工事なので増水や出水による中止や被害も予想されるため、できるだけ気候が良い時期に工事を進めるように努力しています。
富樫さん 僕が特に気を付けていることは、現場での安全管理です。安全管理を疎かにすれば怪我や事故の原因になり最悪死亡事故になることもあるので、なによりも事故を起こさないために、日々の安全点検や現場内の整理整頓を大切にしています。
山口さん 安全管理は大変重要なことです。日々の安全活動や安全教育はもちろんですが、作業員が働きやすい環境にすることも安全を管理する上で重要なことです。

Q2.建設業を選んだ理由、仕事のやりがいを教えてください

山口さん 実家が建築会社で一般住宅を手掛けていたため、子供の頃から建設現場をよく見ていたのと、車や建設機械が好きで運転したいなと思っていたので、就職のときは躊躇なく建設業を選びました。
富樫さん 仕事を通じて自分が何か未来に残せるものがあるのか?と考えたとき、建物や道路のような構造物が思い浮かびました。建設業なら構造物が残せると思い建設業に就職しました。
山口さん 自分が携わった構造物が、地域にとって便利で安全な生活基盤の一端を担うというのは魅力的だよね。私は北陸新幹線の建設に延べ7年携わりました。金沢駅まで開通した時は、東京へのアクセスが便利になり富山県中が活気づきました。開通から5年たった今でも工事に携わってよかったと思います。今、取り組んでいる砂防工事も計画全体が完成した時は、同じ思いが絶対にあります。それがやりがいです。
富樫さん まだ経験は浅いですが、色々な人と力を合わせてひとつの物を作る楽しさや現場をやり終えたときの達成感は十分に感じられます。

Q3.現場の環境について教えてください

山口さん 外仕事なので暑い時もあれば寒い時、雨や雪の中での作業など、きつい事もあります。しかし昨今の建設現場は環境改善が進んだので「3K」と言われたような状況は激減して、ICT技術の活用や快適トイレの導入などで働きやすいように変化してきたと実感しています。現場ではそのような技術や設備を取り入れるなど創意工夫して快適な環境になるよう努めています。
富樫さん 僕は昔のことはわからないのですが、仕事をする環境は比較的良いと思います。もちろん危険を伴う作業や体力的にきつい時もありますが、作業員全員に朝礼で危険な箇所について話し合って対策を立てたり、仕事がきついときは休憩をこまめに取るなどして、安全に作業できるよう心掛けています。

Q4.休日はどのように過ごしていますか?

富樫さん この現場は4週8休なので休日が多く、友人と遊ぶ機会もとれるので凄くありがたいです。たまに休日出勤もありますが、代休があるのであまり気にしてないです。休日は友人と運動やショッピング、ゲームセンターに行って音楽ゲームをするのですが、最近はコロナの影響もあるので家で本やユーチューブを見ていることが多いです。
山口さん 富樫君のほかにも今年入社した若手社員が現場に配員されています。若手技術者を育成していくためにも、4週8休を導入するなどして労働環境を整えていくことが大事だと考えています。休日が多くなった分、日々の管理をきっちり行うことが大切になるので、そこはしっかり教えています(笑)。
 休日ですが、実家が兼業農家で田んぼを所有していることから、農作業をしていることが多いです。それがない時は趣味のオートバイでツーリングに出かけたり、ソフトボールの審判をしています。また、息子と娘が県外で生活しているので妻と時々会いに行きます。今年はコロナ過で行けてはいないですが。

Q5.将来の目標を教えてください

山口さん 目標というか、後輩をしっかり育成していくことが大事だと思っています。若い人に技術者として長く勤めてもらうためにも、建設業の魅力を伝えられるようにこれからも努力していきたいと思います。
富樫さん 僕はまず経験を積んで、資格を取得することです。今は土木施工管理技士2級合格に向けて勉強しているところです。そのほかには車両系建設機械運転者も取得して、はやく現場で活躍できるようになりたいです。

Q6.建設業を志す方へのメッセージ

山口さん 今はICT技術やパソコンソフトの性能が年々進歩していて、若い人でも取り組みやすい環境になってきたと思います。工事ではそうした新しい技術だけではなく、熟練した職人や技術者など多くの人達が知識や経験を持ち寄って協力していくことで完成します。これから建設業に就く若い人達の知恵や工夫と熟練した技術が交わることで、もっと発展する可能性と魅力を有する職業だと思います。
富樫さん 最初は何もわからないと思いますが、周りの人が必ず助けてくれます。最後まで現場をやり遂げれたとき、大きな達成感を得ることができる仕事です。

現場の1日の流れ
7:50~ 8:10 朝礼・ラジオ体操
8:00~ 8:10 安全ミーティング
8:10~12:00 現場巡回、作業指導、安全管理、発注者との打ち合わせ、書類作成
(途中15分程度の休憩)
12:00~13:00 昼休み
13:00~13:15 各職長との打ち合わせ(翌日の作業内容)
13:15~16:40 現場巡回、作業指導、安全管理、発注者との打ち合わせ、書類作成
(途中15分程度の休憩)
16:40~17:00 作業終了、後片付け(現場の確認)
17:00〜19:00 翌日準備、書類作成、帰宅
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