2017年12月21日

娘が「ママと同じ仕事をしたい」と、言ってくれます

安達建設株式会社 (南砺市)
工事部建築係長 安田 笑美さん

Q1.いまどんな仕事をしていますか。

A.市営住宅の外壁や外回りの改修工事で、工程管理や下請けさんの管理など工事全般を担当しています。4カ月の工期で、雪が降る前に完成させる予定です。私自身は平成11年に入社し、今年19年目。官公庁関係の仕事を主にまかされています。弊社の現場管理の女性の中では一番経験が長いですね。

Q2.男性社会というイメージが強いですが、建設業を仕事にしようと思ったきっかけは。また、それはいつ頃ですか。

A.母が建設営業の仕事をしていました。やりがいを持って一生懸命に働く姿を幼い頃から見ていて、建設業に就きたいと思ったのがきっかけです。専門学校卒業時点ではインテリアの仕事に興味がありましたが、その仕事を始める前に建築物を建てていく流れを学ぶのもいいかなあと思い、安達建設に入社しました。働いていくうちにいろんな人とのつながりができ、建てていく仕事の充実感も得るようになり、建設業で頑張りたいという気持ちに変わっていきました。

Q3.建設業への入職の不安はありましたか。また、実際に働いてみてどう思いましたか。

A.もともと身体を動かすことが嫌いではなかったので、不安はありませんでした。実際に働いてみて、同じような口調で同じことを言っても男性だと強く伝わり、女性だと柔らかく伝わることを感じました (笑)。お客さんや職人さんによっては男性社員が打ち合わせにいくよりは、女性のほうが話を聞いてもらえるというのはあると思います。なので、女性だからと言って働きにくいということはありません。

Q4.「女性が働きやすい職場」とはどのようなものだと思いますか。

A.女性にとって育児休業制度が整っているのはありがたいですね。私は女性社員の中で初めて育児休業を利用したのですが、子どもが1歳になるまで取らせていただきました。安達建設は県の「元気とやま!子育て応援企業」に登録されていて、いまは他の女性技術者が休みを取っています。
育児休業取得後は、1年間のブランクがあったので、正直仕事に復帰できるのか不安がありましたが、休業中も所持している資格の更新時期などについて会社から連絡を入れていただいたおかげで、スムーズに復帰できました。
今は子どもが3歳になり、私が建物をつくる仕事をしているということが何となく分かってきたみたいです。お盆休みに「ママの仕事を見てみたい」と言うので、現場を見せました。「大きくなったら何になりたいの」と聞きましたら、「ママと同じ仕事をしたい」「ママと一緒に車に乗って会社に行きたい」と、可愛らしいことを言ってくれます。

Q5.建設業で働く魅力、やりがいはどんなところですか。

A.仕事が完成し、引き渡し時にお客さんに喜んでいただいたときにやりがいを感じます。工事期間中は大変ですが、完成した時はやり遂げたという達成感があります。それが今まで続けてこられた理由だと思います。
働くうえで心掛けているのは、仕事はなるべく溜めこまず、その日にできることはその日のうちにやってしまうということです。子育てをしていると、子どもが突然熱を出したりして保育園を休むこともあります。その日にできることをその日のうちに済ませておけばそうした時でも影響は少ないので、なるべくそのように心掛けています。

Q6.この仕事の一番のやりがいは何ですか。

A.施工手順や方法などを自分が前もってしっかり考えることで、現場の流れがすごく変わります。裏返せば、自分の考えが及ばなかったことで、現場が止まったりするわけです。これまで役所関係の仕事に多く携わってきましたが、最後まで順調に工事が進み、完成検査を受けて合格をもらった時はすごくほっとします。

Q7.建設業は3Kというイメージがありますが、どう思いますか。

A.この職業に就いた人と話すと、どうしてもトイレが汚い、仕事がきつい、危険という話になります。でも、建設業は、何もないところや生活環境が整っていないところに建物や道路が必要だということで、環境を整えるための仕事をするわけですから、3Kについてはある程度仕方ないところがあると思うんです。環境がすべて整っているところで仕事をすることはないわけですが、そこにゼロから一つのものを作り出していく魅力があると思います。

Q8.休日はどのように過ごされていますか。

A.子どもが小さいので、近くの公園に一緒に行って遊んだり、お買い物をしたりして楽しんでいます。私自身は絵が好きで、高校時代は美術部で油絵を描いていましたが、今は仕事と家事や子育ての両立で忙しく、趣味の時間はなかなか持てませんね。

Q9.今までで一番印象に残っている仕事は何ですか。また、失敗したことはありますか。

A.26歳のときに南砺市内の保育園を建てたのですが、今思えばそれが私のターニングポイントだったと思います。常に上司に守られていた立場から、仕事をある程度まかされる状況に切り替わったのがその現場でした。自分がミスをすると現場が止まってしまう、職人さんに迷惑を掛けてしまうといったプレッシャーから、休みの日も気になって現場に行くこともありました。家でもなかなか気が休みませんでしたが、そこで逃げず、最後まで自分なりにやり切れたことがよかったと思います。いま思い出す限りでは、大きな失敗はありません。自分が不安になったり、解決できなかったりしたときは先輩に聞いたり相談したりするようにしていますから。

Q10.将来の目標は何ですか。

A.家庭もあるので大きな目標は描きにくいのですが、近い目標として、自分がいただいた仕事を、お客さんに満足していただける品質で、事故などなく無事に仕上げること。それだけを念頭に置いています。

Q11.建設業を志す女性へのアドバイス、メッセージを。

A.女性は仕事や仕事以外に使える時間が結婚、出産を機に大きく変わります。入社してすぐにはそんな意識を持てないと思いますが、人一倍努力して時間を有効に使い、会社の中で早く自分の居場所やポストを見つけることで、働きやすくなるし、長く続けられるコツかなと思います。

現場の1日の流れ
8:00〜8:30 当日の現場作業等打合せ等
8:30〜10:00 現場巡視・デスクワーク等
10:00〜10:15 休憩
10:15〜12:00 現場巡視・デスクワーク等
12:00〜13:00 お昼休憩
13:00〜15:00 現場巡視・デスクワーク等
15:00〜15:15 休憩
15:15〜16:30 現場巡視・デスクワーク等
16:30〜17:00 翌日の現場作業等打合せ 現場構内点検の後、退社
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