2017年3月30日

出来上がっていく様子が目に見える仕事 家族に「これを造ったよ」と自慢しています。

株式会社 関口組 (魚津市)
土木部工事課長  長谷川 文人 さん

Q1.いまどんな仕事をしていますか。

IMG_1967魚津市を流れる鴨川は大雨になると一挙に増水するため、過去に何度も氾濫し、周辺の住宅が浸水の被害を受けました。そうした災害を防ぐために、増水時にバイパスとしての機能を持つ函型の放水路を設ける工事が10年以上前から行われています。
現在、私は、その鴨川放水路の第3工区工事で、現場監督や施工監理などを行っています。道路下に幅2.8m、高さ2.9mのコンクリート製のボックスを長さ76.5mにわたって埋める工事です。

Q2.建設業を仕事にしようと思ったきっかけは。また、それはいつ頃ですか。

小中学校で野球をやっていました。甲子園に憧れ、どうしても入りたい高校の野球部があって土木科に入学。そこで初めて土木に触れ、興味が湧きました。

関口組に入社したのは、高校から紹介されたこともあったのですが、野球部で仲が良かった先輩が働いていて、誘われたことも大きなきっかけでした。入社した当時の会社の野球部は盛んで、朝刊野球の県大会に出場するほどでした。今では年齢も上がり、レクリエーションを兼ねて毎年6月頃の魚津市長杯に出場するくらいの活動ですが、精神的にリフレッシュできます。

Q3.建設業への入職の不安はありましたか。また、実際に働いてみてどう思いましたか。

高校野球で心身両面を鍛えましたので、特に体力については心配していませんでした。入職直後は覚えなければならないことが多く、仕事に対して不安に思う暇もなかったという感じです。野球を通して会社の先輩たちとも仲良くなり、可愛がってもらったことも不安を感じなかった要因だと思います。

Q4.建設業で働く魅力、やりがいはどんなところですか。

IMG_2001まず地図に残る仕事ということです。出来上がっていく様子が目に見え、完成後も人に「これを造った」と分かりやすく言えます。
魚津港の建設に携わったときも、途中何度か家族に見せたことがありました。工期が長く、現在の形になるまで14年ほどかかっていると思います。先輩と共に、もともと海だった場所に防波堤を築いて囲みをつくり、そこへ地盤を安定させるために土砂を入れ、下水道の本管を埋設していったことを記憶しています。当時、私は20代前半で、現場代理人として初めての仕事でした。
このように、社会インフラの整備という大きな仕事に関われることも建設業の魅力の一つですね。

Q5.仕事で一番に気を付けていることは?

IMG_2108建設業に就いて19年目。今の現場では現場代理人として仕事をしています。工事に携わる者の安全を最優先に、施工監理や工事費の管理など、さまざまな業務をこなしています。社長の代理で現場を仕切る役割のため、プレッシャーを感じることもありますが、だからこそやりがいも大きく、工事の完了検査が終わった後の達成感もあります。

Q6.建設業は3Kというイメージがありますが、どう思いますか。

IMG_2042最初に就いた仕事が建設業で、それからずっとやってきていますので、他の業種と比べ事がありません。この世界が当たり前ですし、汚いとも思いません。どんな仕事もキツイという点は同じじゃないでしょうか。建設業だけではないと思います。重機といった大きな機械を使う分、危険な内容もありますが、細心の注意を払っていれば事故は未然に防げます。毎朝妻から「今日も気を付けて」と見送られ、安全に対する意識を高めています。

Q7.休日はどのように過ごされていますか。

中学3年と1年の息子がいます。息子が小学生のときは、私が少年野球の監督を引き受けていました。仕事が忙しい時も練習に行かなければならないこともありましたが、会社の皆さんにずいぶん協力してもらって、仕事と監督業の両立ができました(笑)。いい思い出になっています。

監督と仕事の共通点といえば、人との接し方でしょうか。仕事では元請けとして下請けの方々の技術を評価し、初対面の方々とも協力してやっていかなくてはいけない。また、監督も子どもたちの長所・短所を見極めて個性を伸ばしていかなくてはいけない。いずれも一人の人間として尊重しないと上手くいきません。

Q8.今までで一番印象に残っている仕事は何ですか。また、失敗したことはありますか。

全長100mほどの橋のジョイント部と橋脚部の補修をした工事ですね。2つの橋をそれぞれ10日間で施工する短工期のため、国道を24時間連続で規制し、片側交互通行で作業しなければなりませんでした。自宅に帰ることもできず、車中で仮眠を取りながら、上司と仕事をしたことが記憶に残っています。大変な仕事でしたが、やりがいを感じました。良い経験になった仕事です。

Q9.将来の目標は何ですか。

IMG_2085_1現場に出ていると、毎日の仕事に追われて忙しく、将来の目標を考えている暇もありません(笑)。

ただ、発注者の希望に沿うためにも最新工法の勉強を欠かしたことはありません。これまでに1級土木施行監理技士や大型重機、大型特殊、船舶免許など、仕事に関わる主な資格は取得しました。与えられた仕事を会社のため、自分自身のためにこなしていきたいです。

Q10.建設業を志す人へのアドバイス、メッセージを。

メイン写真職人気質の人が多い世界ですから、最初は戸惑うこともあるかもしれませんが、上司や先輩の仕事を見ながら、ひとつひとつ確実に覚えていってほしい。
私も年とともに経験を積み重ねてきましたが、まだまだ勉強中です。興味のある方は、ぜひ建設業界で働いてほしいと思います。

現場の1日の流れ
 8:00~8:15 朝礼・体操・KY活動・作業内容確認
 8:15~10:00 現場での作業
10:00~10:15 休憩
10:15~12:00 現場での作業
12:00~13:00 休憩
13:00~13:10 打合せ・翌日の作業確認
13:10~15:00 現場での作業
15:00~15:15 休憩
15:15~16:50 現場での作業
16:50~17:00 後片付け・保安施設の点検
17:00~19:00 現場事務所での内業(翌日準備・発注者への提出書類作成など)
19:00~ 帰宅

 

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