2016年6月20日

苦労した分だけ 完成したときの喜びも大きい

中越興業株式会社(南砺市)
工事部  松田 孝之 さん

Q1.いまどんな仕事をしていますか。

q1監理技術者として、国道359号砺波東バイパスの「いかるぎの大橋」の橋梁下部工事を担当しています。橋脚は全部で13基ありますが、当社はそのうちの2基を造っています。橋梁の高さは18m。鉄筋、型枠、コンクリート、足場工事など、それぞれの職種が底版部、柱部、梁部と躯体を順々に造っていきますが、天候が悪い時期の工程管理は非常に厳しいものがあります。作業員の安全を最優先に考え、設計図にある構造物を造るため創意工夫しながら工事にあたっています。

Q2.建設業で仕事をしようと思ったきっかけは? それはいつ頃ですか?

高校の土木系学科に進学し、学んでいくうちに土木への興味が高まっていきました。陸上競技をやっていたので、土木の勉強と部活を両立できる県外の大学へ進学しましたが、卒業後は砺波の自宅から通勤ができる地元密着型の現在の会社に就職しました。

Q3.建設業への入職の不安はありましたか。また、実際に働いてみてどう思いましたか。

q3不安はありませんでした。この仕事は、道路や新幹線の高架橋など自分が造ったものが、人々の生活に直接役立つことがうれしいですね。そこを通るたびに工事をしていたときのことを思い出します。新幹線の工事だと、10年前、上市地区の1km区間の工事に携わりました。開業前の試乗体験や、開業後、家族で東京に出掛けたときに乗車しました。あっという間に工事担当区間を通過しましたが、やはり感慨深いものがあります。どんな現場でもそうですが、完成した後、子どもたちに「お父さんが造った」と自慢できるのが楽しいです。

Q4.建設業で働く魅力、やりがいはどんなところですか。

工事現場の規模によって担当する作業員の人数は違いますが、概ね10~50人が1つの現場に関わります。構造物を造るという目的は同じですが、携わる仕事はそれぞれ異なるため、コミュニケーションを取り、良い知恵と意見を出し合いながら、順々に作業を進めていきます。努力した分、その成果が目に見えるため、大きなやりがい、土木工事のダイナミックさを実感することができます。

Q5.仕事で一番に気を付けていることは?

qus05安全第一です。朝のKY活動、安全指示を徹底しています。私は毎日同じ現場を見ているので、ここが危ないとわかっていますが、作業員は毎日同じ現場にいるわけではありません。現場の状況も日々変化するので、彼らにしっかりと的確に指示を出します。作業には順番があり、その内容に応じた安全確認を順次行います。事故が起きないよう、安全を最優先にしています。

 

 

 

Q6.建設業は3Kというイメージがありますが、どう思いますか。

たしかに、きつい、汚い、危険というイメージ通りの仕事だと思いますが、作業員の安全確保を第一に、任された現場をしっかり管理し、完成したときの達成感を一度味わうと、この仕事はやめられません。3Kを補ってあまりあるほどの大きな魅力があります。私自身これまで続けてこられたのはやりがいを強く感じてこれたからです。これまで地元の庄東小学校の子どもたちや、富山県立大学の学生を対象にした現場見学会で建設業の魅力を話してきました。子どもたちは楽しそうに現場を見てくれました。橋脚に絵を描いたり、作業の体験も行いました。将来の進路につながるかはわかりませんが、一人でも二人でも建設業に興味を持ってくれるとうれしいですね。

Q7.休日はどのように過ごされていますか。

q7家族サービスで買い物や、子どもと一緒にサッカーを楽しんでいます。高校、大学で陸上競技をやっていましたから、いまも毎朝5時に起きて、6時過ぎまでランニングしています。長いときは30kmほど走ることもあります。昨年富山マラソンに出場し、完走しました。タイムは3時間半くらいで、800位。新湊大橋からの立山連峰や富山湾の景色が最高でした。忘れられない思い出です。今は、黒部名水マラソン、滑川ほたるいかマラソンにエントリーしています。子どもたちも駆けっこが速く、季節のいいときには、庄川の河川敷を一緒に走ることがあります。

Q8.今までで一番印象に残っている仕事は何ですか。また、失敗したことはありますか。

q6さきほどもお話しした北陸新幹線の高架橋工事ですね。入社して6年目から、4年間担当しました。施工延長は約1km。担当した全区間が直線でしたが、まっすぐで長い構造物を造ることの難しさや、測量技術の奥深さを学びました。大手ゼネコンとのJV工事で、ほかの会社の方々と工事を進めていきましたが、大きな失敗はなかったものの、たくさん怒られたことが記憶に残っています(笑)。筋が通った怒りかたで、納得することがほとんどでした。あのときの経験があったからこそ今の自分があると思っていますし、そういったことから北陸新幹線開業はとても感慨深いものになっています。

Q9.将来の目標は何ですか。

同じ工事現場というものはありません。それぞれがオーダーメイドです。自分に任された現場を、当たり前のように淡々とこなすため、知恵を絞って進めていきたい。また、技術者として、一人の社会人としても尊敬される人物になりたいですね。1級土木施工管理技士の資格を持っていますが、コンクリート技士などの資格取得を会社から打診されています。専門的技術の資格を持った技術者がいると、外部からの評価も高まりますからね。毎日仕事が忙しく、勉強の時間はなかなかとれませんが、自身のスキルアップに挑戦していきたいですね。

Q10.建設業を志す人へのアドバイス、メッセージを。

10どんな仕事も一緒だと思いますが、仕事は人と人とのつながりで成し遂げられていくもの。コミュニケーションをしっかりと取ることが大事です。若い頃は誰でも失敗します。仕事がわからず、何を聞けばいいのかもわからないと思いますが、職人や先輩などからいろんな話を聞いて、自身の技術向上のきっかけにしてもらいたい。コミュニケーションを取ることが下手な若い子もいますが、話をたくさんすることで能力を身に付けていけばいいと思います。今年高校を卒業し、4月から働き始めた女性の新人もいます。頑張ってほしいですね。現場は基本的に外仕事なので、夏の暑い日もあれば、雪や雨の日もあります。厳しい環境かもしれませんが、苦労した分、完成したときの喜びも大きい。若い子たちにもその喜びを味わってもらいたいですね。

 

現場の1日の流れ
8: 00~ 8:10 安全朝礼(ラジオ体操)
8: 10~ 8:30 KY(危険予知)活動 始業前点検等
8: 30~12:00 作業開始(途中休憩15分)
12:00~13:00 昼食・休憩
13:00~ 翌日の作業打合せ
13:10~16:50 作業開始(途中休憩15分)
16:50~17:00 後片付け・保安施設などの点検
17:00~ 現場事務所での内業(翌日段取り、工程進捗確認、発注者への提出書類作成等)
18:30~ 帰宅

 

中越興業株式会社
〒939-1844 富山県南砺市野口800
TEL:0763-62-1221

ページトップ ▲